山本清次さんがミャンマー問題でアピール文を発出
- redvine391
- 2022年3月17日
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山本清次さんが3月中旬、ミャンマー問題についての文書(3月11日付A4版22頁及び3月14日付3頁)を各政党、国会議員、マスコミ各社、運動団体などに送付したそうです。
現地の情勢と日本の状況を見て、いてもたってもいられず、声を上げたのでしょう。
当ウェブサイトの一つ前の記事「2011年11月、関西で会う人びと」で彼の近況を報告したものとして、少しだけでも彼の声を届けたく思い、とりあえず、短い方の文書だけでも紹介することにします。見やすいように、段落や見出し、句読点に少し手を加えましたが、文章は原文のままです。(3月17日)
ミャンマー国軍の暴虐は、極限的にエスカレーションしています。
日本政府の「軍支持、軍擁護」の動きは、アセアン諸国を「軍擁護」へと、「分裂」を誘 っている。
求められていることは、「ミャンマー国軍を打倒し、解体」だけです。命をかけて闘うミャ ンマー国民の闘いを、全力で支援を!
軍擁護の日本政府の行動にストップをかけ、「軍打倒!」を世界に呼びかけよう!
笹川ミャンマ国民和解担当は、国軍とカンボジアフンセンの意を受けて、少数民族 に「国軍と和平しろ」と、伝える。
3月10日、笹川氏は、タイのチエンマイで「少数民族武装勢力」と個別の会談を持っ たと、 Radio Free Asia が伝えた。 笹川氏の行動は、日本政府の方針、行動としてあることは明瞭で、クーデター1年後の 情勢のなかで、重大な事態であることを確認する必要があります。 クーデター後の情勢の核心点や明らかにされたことを、しっかりと掴むことが大事だ と思います。
まず、軍の側に身をおいて1 年を見てみると、「制圧出来てないこと、勝ててないこと」 という、軍の歴史上、はじめての事態に遭遇していることが、一切です。おそらく、過 去のクーデターの経験でいけば、「抵抗は暴力で粉砕して、一定の時間をおいて」軍の 支配体制が保持されるという経験しか持たないので、今回も「抵抗を粉砕し、一定の時間経過で、民政移管で、軍の地位を確保」という計画を想定していたと思われるが、 そのような道は、全く見えない事態=想定もしたことがない事態が続き、「勝利の絵図が描けない事態」に、軍が追い詰められたことが、今日の情勢の核心の第一です。
その結果、軍とは何かということが、根底から問われる事態が続いていることです。 軍の正体は、ミャンマー国民が、今や完全に自らの命でもって掴んでいます。 一言でいえば、軍とはテロリストであり、国民とは共存できる存在ではなく、軍はミャ ンマーの歴史を、暗黒と停滞、分断と抑圧と、夢も希望もない社会にした張本人=下手人であり、打倒、根絶する事なしには、ミャンマー社会の未来がないということで、そのた めには、命をかけて闘うことだということを、この一年、展開してきました。
「軍に、勝ててない事態を、強制していること」=軍を打倒し、真の民主主義にもとずく、 民族の尊厳と共存を確保した連邦国家、社会の建設事業の開始ということが、情勢の核心 点の、第二です。
核心点の第三は、「最貧国=後発開発途上国」という遅れた国のミャンマーが、そうである ことで、逆に、最先頭にあるということで、アジアと世界の次の社会建設の最先頭にある ということです。
それは、「軍を持たない国家の建設であり、民族の尊厳と自立、共存の社会の建設」という、人類史が解決すべき課題への挑戦です。 ミャンマー国民が掲げる「軍打倒、根絶、解体」の闘いは、その先駆の挑戦です。 「持続する社会」の柱には、ミャンマー国軍打倒、根絶の闘いがあります。 この第三の核心点が、今、A.S.E.A.N.諸国と、世界がぶつかっている問題です。
アセアン諸国の独立後の発展の道は、「軍部独裁=開発独裁」を辿ってきました。経済成 長は、軍の相対的な後景化=民主化を伴って進行してきたが、軍は「最後の道具」として、 確保されています。A.S.E.A.N.が、次の社会へと進む=移行は、この「軍なき国家、社会建設」には、軍なき国家、社会の革命が必要でしょう。 今、アセアン諸国には、ミャンマー情勢に立ち向かうためには、「ミャンマー軍をどう扱 うのか」が避けては通れません。 この間、A.S.E.A.N.がミャンマー問題でのリーダーシップを取れないのは、この問題 があるからです。
ミンアウンフラインの頭にある問題は、「勝ててない現実の突破」でしょう。「勝っている状態での選挙の実施」でしょう。 そのためには、「少数民族」と「都市部の労働者、民衆」の分断であり、何よりも「少 数民族との和平」の実現が、最大の課題です。
この一年の事態=結果は、少数民族が、軍打倒の戦闘を展開していることで、今の軍の力 では、「和平の展望が無い」という事態です。2月 12 日の「独立記念日」の地点では、全 ての少数民族から、拒否されました。軍の権威は、通用しなくなっています。
アセアン諸国は、軍が「総選挙実施、その結果の尊重」という道を「国民に約束する」 ということで、事態を収拾するということを検討していたと思われるが、これを受け入れ る余裕がない軍の態度の前に、有効な方途を見つけれないままに一年が過ぎた。 A.S.E.A.N.の議長国が、カンボジアに変わったことが、情勢を変えた。カンボジアは、 中国の意を受けて、国軍防衛、国軍存続へと事態を進めている。 インドネシアや、マレーシアの反対を押し切って、新年冒頭にカンボジアのフンセンが ミャンマーを訪問し、ミンアウンフラインと会談した。ここで、相当綿密な方針の打 ち合わせが行われたのでしょう。
このフンセンーミンアウンフライン会談を、中国と日本は歓迎した。アセアン諸国では、 ベトナムとラオスが歓迎し、インドネシアとマレーシアとシンガポールとフイリ ッピンが不快を表明。 そして、3月7日に、笹川とフンセンとの会談で、「少数民族問題での協力を依頼」。そし て、3月10日の、タイでの「会談」となっている。
笹川の行動は、ミンアウンフラインとは、昨年11月に打ち合わせていて、その後、フン センとの会談の上での行動であり、軍の代理としての行動である。 日本政府が、積極的に、軍の事態打開のために、動いたということです。これは完全に、軍の「一年後の方策」の一環として、動いたことです。
日本政府は、この間の事態を全て、公開する事が必要です。少数民族に如何なる提案をし たのかを明らかにする必要があります。和平や、停戦に関わることでの「秘密交渉」は 許されません。すべてが「公開」が、原則であるべきです。
軍ーカンボジアー日本というラインが結ばれたということです。ここに、日本政府は軍と一緒になって、ミャンマー国民の願い=要求に全面的に敵対す ることを明らかにしたのです。
では、我々国民が如何なる態度を取るべきなのでしょうか。
〇 Facebook 上に、国軍批判の記事を投稿した市民が、1月27日から3月4日までに、 男性134人、女性95人、合計229人が逮捕され、訴追された。 地区別では、ヤンゴン管区で114人、マンダレー管区で72人、バゴー管区で12人、ザガイン管区で9人。軍への批判の声さえも挙げることも許さないということであり、そのために監視摘発体制 を引いている。
〇 国軍が道路を封鎖し、避難民1万人が飢餓の危機に、 北東部シャン州南部と東部カヤー州の州境に位置する森林へと続く道路を封鎖した模様。 森林内で避難生活を送っている地元住民らへの食料供給ルートが絶たれ、1万強が飢餓の 危機にある。
〇 3月8日、ザガイン管区インマービン地区で、4人の子供を含む11人が焼き殺された。
〇 3月1日から5日までの短期間に、ミャンマー全土で、民家600軒以上が国軍 兵士の放火で全焼させられた。ザガイン管区で270、マグエー管区で250などで、 統計によると、2021年2月1日から2022年3月7日までに、6719軒が燃 やされている。
ということで、ミャンマー国軍による民衆への殺戮行為は、ウクライナでのロシアの犯 行の比ではない。 この点での日本のマスコミの報道は、明らかに異常です。
マスコミの皆さん、しっかりと必要な真実の報道を。
国会議員の皆さん、政党の皆さん、正しい旗を振ってください。「国軍打倒! 統一政府断固支持」を! 学者、文化人の皆様、声を上げてください。
自治体議員の皆様、地方議会で、ミャンマー国民支持の決議を上げてください。
労働団体、労働組合の皆さん、市民不服従運動を闘うミャンマー労働者を守ってください。
経済界、企業の皆さん、いったん撤退を、そして、軍なき社会建設への協力の再開を。 全国民の皆様、ミャンマー国民に護身用の武器を、そして、暮らしを守る支援をお願いし ます。
3月14日
山 本 清 次
三重県熊野市飛鳥町佐渡450 090-6817-8041
メール kiyotsugu6819@gmail.com
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